恋の奈落の滑り台

わたしを引き込む魔法のスロープ

ヒメアノ〜ルを観てきました ※ちょっとネタバレ

ものすっごいエネルギーを使った。

お願いだからもうだれも死なないでくれ、殺さないでくれって思いながら、心臓をバクバクさせながら、手に汗握りながら観ていた。
次々と容赦なく人を殺していく森田正一を見ながら、あんなに大好きな剛くんなのに、ただスクリーンに映るたびに目を伏せたくなったし、その目線にゾッとした。そっか、この中に剛くんはどこにもいないんだった。


何と言っても印象的なのは、剛くんが脚本を読んだときに「言いたい」と思ったという、最後の台詞。
それを聞いた瞬間、いきなりぼろぼろぼろって涙が出てきて自分でも驚いた。
だって森田の顔が、あんなに残虐で惨くて不気味で残忍で恐ろしかった森田の顔が、一瞬で高1のときの顔に戻ったから。ゲームが好きで、犬が好きで、きっとお母さんが好きだった、森田くんの顔に戻ったから。びっくりした。森田にもこんな表情があったんだ。そうか、森田も人間だったんだ。もともとは心の優しい普通の男の子だったんだ。
絶対に救われてはいけない森田のことを、救いたくなってしまった。
ものすごく切なくて、心に刺さるラストでした。


映画を観たあとって、「あれはどういう意味だったんだろう?」とか「これとこれが繋がってたのか!」とかいろいろと考えたくなるんだけど、この作品を観たあとにはなんにも考えたくなくなってしまった。森田の過去や、世の中に絶望した気持ち、どうしてこうなってしまったのか、岡田があのときああしていれば、、、とか。なんにも考えたくない。ただぼーっと余韻に浸っている感じ。
それで、最後のあのシーンを思い出して、また切なくなる。


はあ………これはしばらく引きずりそう。


最初に言ったように、この映画観るだけでめちゃくちゃエネルギー使うから、もう一度観たい!とか簡単に言えないんだけど、いろんな人に観てほしいと思った。


森田剛はすごいぞ。