恋の奈落の滑り台

わたしを引き込む魔法のスロープ

V6 LIVE TOUR 2015初日に至るまでの7242日~今まで何やってたの?こっちは20年やってんのに。~

7242日。

V6がデビューしてから、わたしが彼らを実際にこの目で見るまでの日数。長い。とんでもない長さだ。

「今まで何やってたの?こっちは20年やってんのに。森田剛/8.30 MCより)

いや本当にその通りだよ剛くん。わたし何やってたんだろうね???

 

 

2015年8月30日。わたしは今までずーーーーーっと“テレビの中の人たち”だったアイドルをこの目で見た。V6という6人のお兄さんたちは確かにこの世に存在していたし、わたしの目の前で歌い、踊り、手を振り、肩を組み、お尻を触り、楽しそうに笑い合っていた。不思議な感覚だった。V6を初めて知った当時6歳のわたしが今25歳になっているのと同じように、17歳だった彼が36歳になっていること。「えっ…生きてる……」と思った。わたしが生きている時間だけ、彼らも同じ時間生きていた。そんな当たり前のことに気付いて震えた。気持ち悪いけど本当にそう思ったんだよ~~~~自分でも気持ち悪いけど~~~~~

  

わたしがV6を知り、好きになったのはおそらく18~19年前(1996~97年ごろ)だと記憶しているのだけど、いろいろな寄り道を経て、実際にここまで熱を持って追いかけるようになってからはまだ2年足らず。「なんでわたしはずっとファンじゃなかったんだろう」「このときのコンサートもこのときのテレビもすべてリアルタイムで見たかった!」という、“歴史の深いグループを途中から好きになったファンあるある”な感情は日常茶飯事で。これまでの空白の数年間の出来事をたくさん知っていける!というワクワクよりも、もったいなかった…と後悔することの方が実は多かったように感じる。だから剛くんがMCで言っていた「今まで何やってたの??」に対しては「ほんとにね!!!!!!!!!!!!!!」と臍を噛むしかなかった。

けれど、コンサートの開始とともにその7242日分の思いが爆発したときの「この日、この瞬間を待っていた」感を思い出すと、そんな自分の寄り道も何か意味があったんじゃないかなとすら思う。過去を知らない後悔なんかよりも、こうして20周年を迎える瞬間を見届けられる喜びの方が大きくなったというか。あぁ、このタイミングだったんだ、と。

6人が出てきたあの瞬間のことは、きっとずっと忘れないだろう。客電が落ちて、会場が割れんばかりの歓声の中、シンプルなステージのスクリーンに浮かび上がる6人のシルエット。最新曲『Wait for you』を1フレーズ静かに歌い上げたと思えば、なんとも言えない高揚感を誘うあのイントロである。今年に入って何度聴いただろう、大切なデビュー曲『MUSIC FOR THE PEOPLE』。20年目にして初めて目の当たりにする6人の姿を見て、文字通り身も心も震えた。ペンライトと団扇を持つ手はブルブル、膝はガクガク、涙で顔はぐちゃぐちゃ。それはもう誰が見てもひどい姿だったと思うけど、それもすべて美しい思い出として残しておきたいなと思う。

 

初めて見るV6は、テレビよりも100億倍かっこよくて、でもテレビのままだった。想像の域を遥かに超える3時間。あの曲やるかなあ??髪切ってたらどうしよう~!健く~んって名前呼べるかな…??とか無駄な心配ほざいてた本番前の自分を殴りたい。目の前で繰り広げられていた世界はそんな次元じゃなかった。

まず衝撃的だったのは『Can do!Can go!』を歌いながら外周を歩いてくる健くん。すべてのパーツが思っていた以上にちっちゃくて驚いた。わたしの斜め前で立ち止まり、少し照れながらサビを踊り、すぐにふわふわとセンターステージに歩いて行ってしまった。彼が遠くに行ってから、ようやく呼吸ができた。死ぬかと思った。とにかくコンサートの間中かわいい健くんはどこにもいなくて、終始「か、か、か、かっこいい………」しか出てこなかった。(MCは絶好調三宅健☆だったけど)近くで見たい!という気持ちとは裏腹に、実際に近づいてくると「どうしよう…!こっちに来る…!やだ!来ないで!こわい!!!!!」と後ずさってしまった。名前を呼ぶことはおろか、手を振ることもできなかった。こわい!!!という謎の感情。

次に、全員が満遍なく外周や2階席に来てくれること。ゆっくり歩いては立ち止まり、客席をぐるりと見回し、優しく手を振り、またゆっくり歩いていく姿や、2階席で自分にスポットライトが当たっていないとき、愛しそうにこちらを見下ろすメンバーの顔は、本当に忘れられない。2階席も3人ずつ交代で全員が来るようになっているシステムってすごいなあと思う。

そして、これだけはずっと言いたかったしずっと言っていきたいこと。このコンサートでわたしがいちばん大好きでいちばん印象に残っている、終盤の『UTAO-UTAO』『ありがとうのうた』である。わたしはこれを勝手に【感謝のご挨拶回り】と呼んでいるのだが、読んで字のごとく、きっちりとしたスーツ風のフォーマルな衣装に身を包んだ6人が全員で、2曲分の時間をかけて、ゆっくり、本当にゆっくりと外周を回るのだ。これが本当にずるい。V6だなあ…と思う。だって!6人が!全員で!ゆっくりと!外周を!回っている!しかも!正装で!!!正装で!!!!!感謝の挨拶はきっちりとした服装で、みたいな彼らの生真面目さと優しさかなと勝手に想像している。あぁ本当に好きだ。ファンの顔を一人ひとり見ながら笑顔で手を振るまーくんといのはらさん、長野くんのお尻を掴んでうれしそうなオカダ、相変わらずの剛健。それぞれがそれぞれらしく、ゆっくり歩いて回る、世界一尊い時間。6人が振り撒いてくれる「ありがとう」の気持ちを、そのまま何千倍、何万倍にしてお返ししたいと思った。

 

かなり出遅れてしまったけれど、こんな素晴らしいグループを好きになれてよかったし、20周年というタイミングで「大好き」と「おめでとう」と「ありがとう」を直接ぶつけられることがうれしい。今後も「今まで(自分は)何やってたの??」と思うことはあるかもしれないけれど、それ以上にこれからのV6を見届けられることに喜びを感じよう。20周年はわたしにとっても彼らにとってもまだまだ通過点。

 

と、11月1日に書くようなブログの締め方になってしまったけれど実はあと2公演あります… 次の名古屋でもきっとまた同じことを思って涙を流すだろう…